2025.02.01 No.295「大阪」
昨年12月、急遽大阪へ行ってきました。大阪に行った目的は、私に商売のいろはを教えてくださった西田社長のお兄さんにお会いするためでした。
西田社長が亡くなられたことを知ってから、毎日どこか心が晴れない日々が続いていました。そのため、昨年のうちにどうしてもご遺族にお会いして、これまで西田社長にお世話になったお礼を直接伝えたかったのです。
西田社長のお兄さんは、大阪市内で給排水設備資材を販売する会社を経営されています。私は電車を乗り継いで最寄りの駅まで向かい、そこから会社まではグーグルの位置情報を頼りに歩いて向かいました。道中、目に映る街の景色を眺めながら、「生前、西田社長も同じようにこの風景を見ていたのかな」と思うと、自然と胸に熱いものが込み上げてきました。
無事に会社に到着すると、お兄さんが「牧野さん、こんな遠くまでよう来てくれましたな」と温かく迎えてくださいました。体格や顔立ち、そして聞き慣れたコテコテの大阪弁。その姿を目にした瞬間、すぐに「西田社長のお兄さんだ」と分かりました。「弟から、毎月上田に行っているとは聞いていましたけど、あいつ詳しいことは何も言わんで、全然知らんかったんですわ。牧野さんの会社に行っとったとはなあ。」初めてお会いするにもかかわらず、すぐに会話が弾みました。
その後、生前大変お世話になったことを詳しくお話しさせていただきました。弊社のキャラクター「マッピー&リホ」や、今でも大切に使わせていただいているキャッチコピー「小さな修理も笑顔で参上!!」は、西田社長が生みの親です。「今のマキノがあるのは、西田社長のおかげです」と心を込めて伝えました。
生前の西田社長との思い出を語っていると、お兄さんから「ところで牧野さん、弟がブログを書いていたことをご存じでしたか?」と尋ねられました。「いや、知りませんでした」と答えると、「ほな、牧野さんだけに特別に教えましょう」とおっしゃって、パソコンを開いて見せてくださいました。
「闘病中、ずっとブログを書いていたらしいんやけど、弟の家族も私も、身内は誰一人として知らなかったんですわ。」
そこには、最後の最後まで病魔と闘い抜いた西田社長の姿が記されていました。お兄さんは「弟はやりたいことを全てやり尽くしたから、悔いなどないですよ」と語ってくださいました。
西田社長がご自身の人生の貴重な時間を、私に割いてくださっていたことを思うと、自然と涙が溢れてきました。時には厳しく、でもいつも遠くから見守ってくださっていた西田社長。その大きな優しさと強さを改めて感じました。
私も西田社長のように、優しさを持った経営者になれるよう、これからも精一杯努力していきます。
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