2024.08.31 No.290「今年の夏のちょっとした思い出」
お盆が過ぎると急に朝夕過ごしやすくなり、信州の短い夏が終盤に突入したことを感じます。今回のマキノコラムは今年の夏のちょっとした思い出を書きます。
もうかれこれ40年前のこと。高校三年の夏休みは毎日バイトに明け暮れていました。バイトに励んだ目的はお金を貯めてお気に入りのアーティストのCDを買いたかったからです。当時購入したCD一枚、一枚には特別な思い出が残っていて、それらは今でも段ボール箱に仕舞われ、部屋の押し入れの片隅で大切に保管されています。当時はどちらかと言うと邦楽を好んで聴いていました。特に好きだったアーティストは10代の教祖 尾崎豊や伝説のロックバンドBOØWY、そして学生時代にコピーしていたアースシェイカーでした。
今はスマホのアプリで好きな楽曲がいつでも聴ける時代。私も通勤時やドライブの際、スマホで様々なアーティストの楽曲を聴き楽しませて頂いております。世界中のアーティストの楽曲が定額で聴けるのですから何ともお得なサービスです。でも汗水流して欲しい物を手に入れた時の喜びや満足感は得られないので、昭和世代の私には物足りなさを感じます。欲しいCDを手に入れるために頑張って働き、お金が溜まったら現金を握りしめてレコード屋に行き、迷いに迷って購入したCDは家に帰り何度も何度も繰り返し聴いたものです。購入したCDには青春時代の甘酸っぱい思い出が染み付いており、生涯忘れることができません。
8月上旬のある日、なんだか無性に尾崎のCDが聴きたくなり、汗だくになりながら押し入れの奥に仕舞われた段ボールを引っ張り出しました。「やっと聴ける!!」と喜んだのも束の間。肝心なCDプレーヤーが我が家にも職場にもないことに気付きました。仕方なくパソコンで聴こうかと思ったものの、最近のパソコンにはCDを取り入れる機能が付いていません。結局、スマホのアプリを起動させ、ブルートゥーススピーカーから尾崎の楽曲を聴くことにしました。CDジャケットを眺めながら尾崎の楽曲を聴いていると、40年前の夏、エプロン姿でアルバイトに励んでいた自分の姿が蘇ってきました。今まで大切にしてきた楽曲と共にこれからの人生も歩んでいきたいと思います。尾崎のロザーナがお気に入りの一曲です。