2022.01.01 No.258「正月の風物詩」
今から40数年前の大晦日のこと。大晦日は普段より豪華な料理が食卓にたくさん並びます。母の手料理をお腹いっぱい食べて一息つく頃、NHK紅白歌合戦が始まります。「今年こそ紅白歌合戦を最後まで観るぞ!!」と気合を入れてテレビにかじりつくも、こたつの温もりが眠気を誘い、まぶたが徐々に重くなり、いつしかこっくりこっくり。除夜の鐘の音で目が覚めると「紅組が勝ったの?それとも白組?」と家族に尋ねようとするも、全員こたつで爆睡しており結果は分からずじまい。大晦日はどんよりとした雰囲気なのに、時計の針が午前0時を指し新年を迎えた瞬間、気持ちがパーッと明るくなるのは、これから始まるお正月という年に一度の特別な期間が始まるからでしょうか。お正月は大人も子どもも普段より我儘が許されるとあって気持ちも大きくなります。連日宴が開かれ、朝から浴びるようにお酒を飲む大人達。「お父さん、飲み過ぎよ!!」と苦言を呈す母に対して「お正月ぐらいいいじゃないか!!」と珍しく母に強気に出る父。この光景は私にとって生涯忘れることができない正月の風物詩です。一方子ども達は夜更かしが許されるとあって、毎晩遅くまでトランプや花札を楽しみます。従兄弟の中で最年少だった私はトランプに負け続けると泣き出すため、みんなが手加減をしてくれるのですが、それがまた悔しくて悔しくて。今思えば昭和のお正月って心底から楽しめたと感じます。一方、365日休みなく三度三度食事の支度をする母にはお正月を楽しむ暇もなく「主婦って大変だなー」と子ども心に感じたものです。牧野家の正月三が日の過ごし方と言えば、元旦は自宅で家族とゆっくり過ごし、二日は親戚のお宅に新年の挨拶に伺う、そして三日は我が家に親戚が訪れると言う流れでした。出不精な私は家でゴロゴロしていたいと言うのが本音でしたが、正月は子どもたちにとって収入が得られる貴重な期間ですから、嫌でも親戚のお宅へ営業に出掛けたものです。 今年も読者の皆様からお送り頂くハガキを励みに頑張ります!!応援よろしくお願いします!!