2022.10.01 No.267「愛車はソアラ」
これは今から35年ほど前の話です。当時、多くの若者達は高校卒業と同時に自動車運転免許を取得しました。車好きの男子は見栄を張り、身の丈に合わない高級車に乗りたがったものです。それがステータスでもありましたから。給料の大半をカーローンにあて、更に税金やガソリン代、保険料を支払うのですから、まさに車のために働くようなものです。免許取り立ての若者達がシーマやクラウン、当時人気絶大だったソアラなどバブル時代を象徴するハイソカーに乗れたわけですから、いかに景気が良かったか伺えます。「愛車はソアラ!!」なんて言ったらそれだけで女子からモテモテでした。
早生まれだった私は仲間達より少し遅れて自動車運転免許を取得します。免許を取得すれば直ぐに車が欲しくなるもの。しばらくして愛車を手に入れた私は、毎晩のように仕事が終わると目的もなくドライブに出かけました。彼女とドライブを約束した前日は決まってBGM作り。彼女に喜んでもらうために、好きなアーティストの曲を1本のカセットテープに録音したものです。まだCDなどない時代でしたから、ダビングには時間を要しました。カセットテープが出来上がる頃には日付が変わっているなんて日常茶飯事でしたね。この頃はレベッカやチェッカーズが人気で好んで聴いていました。もちろんBOØWYも。
昭和、平成、令和と時代が移り変わると共に、若者達の自動車離れについて耳にするようになりました。「車なんてとりあえず動けば良い」「カーシェアで十分」など、現代の若者達の自動車への興味のなさに驚かされます。「ハイソカーに乗りたいから頑張って働く!!」と意気込んでいた我々の世代にとっては、現代の若者達の車離れはなんだかとても寂しく感じます。