2025.07.01 No.300「シンカワさん」
ある日のこと。パソコンと睨めっこしながら仕事に励んでいると、スマホからLINEの着信音が鳴り響きました。スマホをのぞいて見ると、それは社員からの連絡でした。
お疲れ様です。社長あてにお電話がありました。大阪のシンカワ様という方で、20年以上前に大阪にいるときにお世話になったとおっしゃっていました。ブログを見てお電話をくださったとのことです。折り返しご連絡いただけますでしょうか。090‐※※※※‐※※※※
「シンカワさん」という苗字を聞いただけで、その人がどんな方なのか、私はすぐにピンときました。
仕事を差し置いて電話をかけると――
「もしもし、シンカワです。牧野さん、私のこと分かりますか?」
コテコテの大阪弁ではなく、聞き覚えのある上品な関西弁で、優しく話しかけてくれました。
シンカワさんは、私のコラムでも時々紹介をさせていただいている、商売の師匠・故西田敬洋さんが社長を務めていた株式会社USSの社員さんでした。シンカワさんは、西田社長の“一番弟子”と言っても過言ではありません。
なぜ突然、私に電話をくれたのか知りたくて、シンカワさんに尋ねてみると――
「実は私、昨日が誕生日で、ネットで『誕生日が同じ人』と検索してみたんです。そしたら牧野さんのブログを発見して、懐かしくなり電話しました。西田社長が亡くなったことも、昨日ブログで知りました」
と、教えてくれました。
シンカワさんがUSSに在籍されていたときには、缶バッジやシールなどのノベルティをたくさん作ってもらったり、商品の発注をしてもらったりと、大変お世話になりました。その後、シンカワさんが退職されてからも、時々西田社長がシンカワさんのことを語っていたので、とても印象に残っていました。
西田社長のことを語り合える仲間ができたことを、嬉しく思います。何より、あれから20年以上経っても、私のことを覚えていて、電話をかけてきてくれたことが嬉しくてなりません。
西田社長の命日には、シンカワさんと西田社長の思い出を語り合いたいと思います。
